2016年3月20日日曜日

ジュラシック・ワールド

すごい迫力の映画ですが、楽しむよりも違うことを考えずにいられない作品です。
私には、あることの譬えにしか見えませんでした。
 
危険な挑戦に3回失敗してもあきらめずに(懲りずに)まだまだその技術で金儲けを企むというのは、「チェルノブ・3マイル・フクシマ 」に何も学ばない日本の原子力政策に見えます。
 
地震・津波による被害は天災なので仕方ないとしても、避難指示の乱れや風評被害は人災なので改善のしようがあります。
 
なのに、緊急時の避難についての方針が決まらないまま・モニタリングポストも揃わないままに再稼働を急ぐのは、もう地震は起こらないという保証があるのでなければ(そして当然ですが、ありません)愚か者の所業ではないでしょうか。
 
高浜原発の運転停止の仮処分を下した地裁に対し、経済界からは「たかが一地裁が」という声があるのは正にジュラシックの世界って感じです。
 
映画だと、悪だくみをする本人は報いを受けてくれるんですけど、現実ではそういう人ほど被害を受けることがないのでたちが悪いですね。
 
フクシマの避難地域の子供の中に甲状腺がんの可能性がある人が多いということですが、これを原発事故の影響とは考えられないという見解が出されています。でも、じゃあ何が原因なの?ってなりませんか。
 
ニュートロンキャンセラーが発明されなければ、私たちが生きている間には(もっとずっと長い間)廃炉にできない状態のエフイチを抱えたまま、再稼働を続けて何か起きたら全て人災ですよ。
 
経験から学べるのは人間だけではなさそうですが、学ばないのこそ人間かもしれませんね。