2023年4月3日月曜日

コピペ 小西洋之議員「サル」発言は袋叩き、高市早苗大臣には迫らず…大手メディアの弱腰と矛盾

  日刊ゲンダイ

「サルのやること」ーー衆院憲法審査会の議論について、立憲民主党の小西洋之参院議員がこう言い放ったことに対する批判報道が続いている。「サル」発言は、小西氏が野党筆頭幹事を務める参院憲法審の見通しをめぐる記者団の取材の中で飛び出した。週1回の開催が定着しつつある衆院憲法審を「蛮族の行為、野蛮だ」と語り、一部メディアがこの発言を報じたことから表面化した。

小西氏は、発言を報じた産経新聞とフジテレビを名指しした上で、《今後一切の取材を拒否する》とツイッターに投稿。《報道倫理に反して攻撃的な報道を行うのはおよそ言論報道機関とは言えない。元(総務省)放送政策課課長補佐にけんかを売るとはいい度胸だ》とも書き込んだわけだが、とても正気とは思えないだろう。

今国会で小西氏は、放送法の解釈をめぐり、安倍政権下で首相補佐官を務めていた礒崎陽輔氏が総務省側に見直しを強く求めていたとする行政文書を入手。これをもとに国会で「言論の自由を守れ」と訴えてきた。それだけに、今回のメディアに対する発言に対しては、与野党内から「言っていることとやっていることが逆」との異論が出るのも不思議ではない。

「言論の自由を守れ」と叫んでいた政治家が、メディアに対して「けんかを売るとはいい度胸だ」とSNSに投稿する。小西氏の発言が「言語道断」なのは論を俟たないのだが、奇異に映るのは、その経緯を報じるメディアの姿勢だ。

会見を終えた小西氏に詰め寄る記者と、その姿を報じるテレビ局。報道ならば当たり前の姿なのだが、そうであれば与党議員に対しても同じ姿勢であるべきだが、そんな姿は見たことがない。

例えば、今回の放送法をめぐる問題で、真相を問うために礒崎氏に執拗に迫った報道記者の姿はないし、発言内容が二転三転する高市早苗・経済安全保障担当大臣を追い回すテレビカメラもない。

小西氏の発言は論外としても、政策決定に関わる与党議員、しかも大臣の発言、姿勢の方がよっぽど重要ではないか。高市氏や礒崎氏に対する追及はなぜかユルユルの弱腰で、小西氏の姿勢だけをやたらと取り上げて問題視する。

報道機関が「権力の監視」などと言われたのは遠い昔。今は「長い物には巻かれろ」とばかり、権力寄りの姿勢が目立つようだ。