2022年1月31日月曜日

コピペ 【舛添直言】菅直人「ヒトラー投稿で維新と衝突」は全くの茶番

(舛添 要一:国際政治学者)

 立憲民主党の菅直人元首相は、1月21日、<橋下氏をはじめ弁舌は極めて歯切れが良く、直接話を聞くと非常に魅力的。しかし「維新」という政党が新自由主義的政党なのか、それとも福祉国家的政党なのか、基本的政治スタンスは曖昧。主張は別として弁舌の巧みさでは第一次大戦後の混乱するドイツで政権を取った当時のヒットラーを思い起こす。>とツイートした。

 これに対して、日本維新の会(以下「維新」と書く)は猛反発し、26日、立憲民主党に対して、抗議文を提出し、投稿の撤回と謝罪を求めた。

 この維新の行動について、菅は、<維新は私の発言について政党である立憲民主党に抗議をするという。しかし、私の発言は党から指示されての発言ではない。私自身の考えを述べたもの。抗議するなら私自身に対してすべきだ。しかし日本は自分の考えを表明することができない社会ではないはずだ。>とツイッターで反論。維新と菅の批判の応酬は現在も続いている。

橋下徹をヒトラーに重ねるのはナンセンス

 ヒトラー研究者として、このやりとりを見て私が最初に感じたのは、第一次世界大戦後のドイツと今の日本を単純に比較するのは間違っているということである。また、維新という政党のアピールポイントもナチスとは全く違うということである。つまり、菅は、比較できないものを比較したのであり、その点で説得力を持たないのは当然である。

 もう一つ付け加えるなら、橋下徹も維新も、ヒトラーやナチスとは「雲泥の差」があり、ヒトラーが今甦ったら、「そんな小物と比べないでくれ」と一笑に付すであろう。

 まず、第一次世界大戦に敗退し、ヴェルサイユ講和条約によって領土を減らされ、巨額の賠償金を課されて困窮する当時のドイツと、今日の日本とは全く違う。ドイツの屈辱的な状況を打破すべく、ヒトラーは政治家になる決意を固め、ナチス党を創建する。

 ナチスの25箇条の綱領の主な内容は、ドイツの領土を回復し「大ドイツ国」を実現する、ドイツ人の血を引く者のみをドイツ人とする(ユダヤ人から公民権を剥奪する)、徴兵制の復活、再軍備財閥の国有化など、ナショナリズムが盛り沢山である。そして、労働者や中間層に訴えるために、小企業の保護、貧困家庭の教育費国庫負担、幼年労働の禁止などをうたっている。

 さらにドイツに課せられた苛酷な賠償支払いによって、ハイパーインフレが引き起こされ、ドイツ国民はパン一個を買うのに何十万マルクも支払わねばならないような状態に追い込まれた。失業者も増大した。

 今の日本は、このような状態ではない。コロナ禍でたいへんだとはいえ、デフレ状態であり、国家による生活支援も行われている。ヒトラーのようなデマゴーグの扇動に大衆が乗るほど、不満が高まっているわけではない。日本が国際紛争に巻き込まれたり、在外日本人が弾圧されたりしているのでもない。

ナチスの政策は明確だったが維新は・・・

 またナチスの政策は明確であった。それに比べて、維新については、その重要政策が何かを国民が認識しているわけではない。

 維新は「日本大改革プラン」を掲げ、<我が党では、現在の低成長や社会保障危機など平成30年間で常態化していた課題に加え、コロナ・ショックで日本のセーフティーネットの脆弱性が明らかになったことに対する打開策として、社会保障・税制改革と成長戦略に一体的に取り組み、可処分所得の増加を目指す「日本大改革プラン」を発表した。政府が国民に一定額の現金を毎月、無条件で支給する「ベーシックインカム(BI、最低所得保障)」の導入や消費税・法人税の減税をはじめとする税体系の抜本的な改革プランである>と説明している。

 だがこのような政策は、他の与野党でも提言しているものであり、本当の意味で維新の目玉政策が何かが国民には伝わっていない。一番知られているのは「大阪都構想」であるが、それは大阪市民によって葬り去られている。

 橋下徹が大阪維新の会を創設したとしても、現在の維新は、全国規模の政党となっており、もはや橋下個人の政党ではない。

 昨年の衆議院選挙で、維新は大阪を席巻し、自民党をはじめ他党の候補者の多くは討ち死にした。立憲民主党の看板政治家、辻本清美もそうである。

菅直人ではなく立憲民主党に謝罪を求める理由

 菅直人のツイートに対して、維新は立憲民主党に抗議し謝罪を求めた。菅の投稿の内容はともかく、抗議すべき対象は菅個人であり、立憲民主党という政党に抗議するのは筋違いではないか。

 その意図は何か。

 夏には参議院選挙が控えている。ライバル政党の立憲民主党に抗議することによって、維新は選挙戦を始めたと解釈してよかろう。しかし、今回の抗議によって、立憲民主党支持者の票が維新に流れる保証はない。選挙目当てのパフォーマンスは大衆に見透かされてしまうからである。

 維新はよく「ゆ党」だと言われる。「与(よ)党」でも「野(や)党」でもないからで、鵺(ぬえ)のような存在だと思われている。安倍・菅政権とは蜜月で、維新の幹部はよく首相官邸に足を運んでいた。しかし、選挙の時には豹変する。自民党政権に不満を持つ有権者は、小党分立で不甲斐ない野党には票を入れたくない。そこで、消去法で「ゆ党」の維新が選択肢に浮上するのである。昨年の衆院選での躍進には、そのような要因があることを忘れてはならない。

 その点では、明確な政策を打ち出して国民の支持を得たナチスとは大きく違う。ただ、支配層への擦り寄りという点では共通点もある。ヒトラーは勢力を拡大する過程で、「労働者のための政党」と謳いながら、政治資金を調達するために財界に接近する。

 相対的安定期で経済が好調なときには、ナチスと共産党という左右の両極端の政党は退潮するが、1929年の世界大恐慌以降、経済が悪化すると、この左右の全体主義政党が躍進する。ドイツ国民の不満がそうさせたのだ。財界から見れば、共産党よりもナチスのほうがましである。反共の砦としてナチスに期待したのである。

 今の日本は、政権党の自民党が退潮し、極右や極左の政党が跋扈するような状況ではない。ただ、財界から見れば、「立憲民主党や共産党よりも、維新のほうがまだ良い」という点では立ち位置は似ているのかもしれない。立憲民主党は、共産党と選挙協力を行ったことで、先の衆院選での敗北につながった。逆に言えば、この選挙協力が維新の躍進に貢献した。

俳優をコーチにし演説時の身振り手振りを研究したヒトラー

 橋下徹の弁舌の巧みさは皆が認めるところだが、何度も選挙を経験した政治家は皆演説が上手くなる。しかし、ヒトラーほどの演説の名人には、海外でも日本でも私はまだ会ったことはない。

 ヒトラーの時代と現代との最大の違いはテレビの存在の有無である。テレビがなかった時代、ヒトラーがナチスの勢力を伸ばすための武器にしたのは街頭演説であった。俳優をコーチに雇って演説の振り付けを研究し、演説する時間帯、場所なども詳細に設定して名演説を繰り返し、大衆を虜にしていった。

 一方の橋下徹であるが、彼くらい演説が上手い政治家は、日本にもヤマほどいる。そういう政治家とどこが違うかというと、橋下にはテレビがついているということである。テレビの人気者としてスタートする、タレントとしてスタートする、それだけで政治家としては最初から大きな財産となる。「テレビに出ている○○さんを観に行きたい」というのが、大衆が街頭演説会場に出向く理由である。そこでは演説の内容などあまり関係ない。

 ヒトラー時代にはテレビはない。ラジオまでだ。だからナチスはヒトラーの演説風景を撮影して、それを映画ニュースとして全国を巡回させたのである。また、飛行機を使って1日に何カ所も演説をしたのもヒトラーが初めてである。まさに、ヒトラーにとっては演説こそが政権獲得の手段であった。

 詳細は、拙著『ヒトラーの正体』に譲るが、ヒトラーは「演説は書物より影響が大きい」と喝破している。今の時代は、「テレビは演説や書物よりも影響が大きい」と言ったほうが正しいかろう。テレビを制する者が、世界を制するのである。

 橋下徹や維新は、その成功例であり、とくに大阪においてそれは顕著である。極論すれば、大阪では全テレビ局が維新の意向を忖度すると言ってもよい。維新は、大阪のメディア戦略で成功している。

生産性なき「菅直人vs維新」の対決

 最近では、元日に放送された毎日放送のトーク番組「東野&吉田のほっとけない人」に、橋下徹氏、松井一郎、吉村洋文の3人がそろって出演し、政治的中立の観点から問題視された。この件に関して毎日放送は社内調査を行っているが、それほどまでに在阪のテレビ局は橋下をはじめとする維新関係者に席巻されている。

 この調子で、全国のテレビ局を支配するような状況になれば由々しき事態であるが、今のところ、まだそこまでは行っていない。何よりも、維新の一丁目一番地である大阪都構想が2回も大阪市民によって拒否されたことは、大衆扇動術のみでは動かない「大阪ナショナリズム」が健在であることを示しているということだろう。

 いずれにしても、菅直人・立憲民主党と維新の睨み合いは、日本の政治を刷新するためには、あまり生産的なものではない。喜んでいるのは自民党だけという現実を直視し、さっさと生産性のある政治活動にエネルギーを振り向けてもらいたい。


2022年1月30日日曜日

コピペ 米山隆一氏、「ヒトラー発言」を追及する維新の姿勢に緊急反論「橋下氏はダブルスタンダード」 SmartFLASH

立憲民主党の最高顧問を務める菅直人氏のツイートが、連日話題を呼んでいる。

菅氏は1月21日、《橋下氏をはじめ弁舌は極めて歯切れが良く、直接話を聞くと非常に魅力的》としたうえで、日本維新の会について《弁舌の巧みさでは第一次大戦後の混乱するドイツで政権を取った当時のヒットラーを思い起こす》などとツイート。維新は26日に抗議文を提出した。

抗議文では、「まったく事実に基づかない妄言であり、誹謗中傷を超えた侮辱と断じざるを得ない。国会議員としてはもとより、人として到底許されるものではない」などとして、1月末までのツイート撤回と、立憲民主党および菅氏へ謝罪を求めている。

この抗議を受けて26日、菅氏は《ツイッターは党の指示ではなく私の一存で発した、私の感想を述べたもの。維新からは私には直接何も言ってきていない。私のツイッターに抗議するなら私にするべき》と主張。《的外れな謝罪要求に応ずるつもりはない》と、謝罪要求に応じない意向を示した。

騒動のさなか、Twitter上で維新の会を批判したのは、衆議院議員の米山隆一氏だ。

《吉村氏「維新を名指ししてヒトラーと同意だと。立憲民主党の現最高顧問の発言ですから公党としてどうとらえるかその回答を待ちたい」との事ですが、それなら2012年は維新が民主に同じ事を言っているので、当時民主党幹部の菅氏に、まず維新・橋下氏が謝るべきかと思います。》

米山氏が指摘したのは、2012年、民主党政権が公約になかった消費税増税を目指していることに対して、橋下氏が「ヒトラーの全権委任法以上だ」と批判していたこと。確かに、橋下氏も「ヒトラー」という固有名詞を持ち出している。

このツイートの "真意" について、米山氏に話を聞いた。

「2012年に橋下氏が『ヒトラーの全権委任法以上だ』と言っているわけですから、それを棚に上げて菅さんだけを批判するのは、明らかにおかしいということでツイートさせていただきました」(以下、米山氏)

このツイートには、「維新にブーメラン!」と賛同する声が多く寄せられた、とも米山氏は語る。維新側から、何か反応はあったのだろうか。

「『(橋下氏の批判は)政策の批判であり、人格の批判ではないことが理解できないのか』という批判がありますが、それを言うなら、菅さんだって《弁舌の巧みさでは》としているのであって、人格批判ではない。

それに、橋下氏の発言だって、単に政策を批判するなら、ナチスを持ち出す必要はない。文脈としては、民主党にいる全員に向けて人格批判をしたことになりますよ。

それなのに、菅さんに対しては、『国会議員としてより、人としてどうか』とまで言っているわけです。しかも所属機関にまで謝罪を求めるのは、ダブルスタンダードだと思います。むしろ、維新の体質を如実に示していると思います。

そもそも、『ナチスに例えるだけでアウト』なんてことはない。例えられた人は怒るけど、トランプ元大統領だって何度も例えられてきた。そういう事実を無視して、菅氏を言いくるめようとするやり方が本当に嫌だなと」

大阪府知事の吉村洋文氏は、菅氏のツイートについて「国際上あり得ない」としている。しかし、多くの専門家たちが「この認識は誤りではないか」と指摘している。米山氏は、こうも続ける。

「自分が言ったことのつじつまを合わせるために、話を展開していくのは罪深いと思うんです。菅氏を批判するために、ありもしない国際規範を、自分が専門家のていででっちあげるのは、弁護士としても、大阪府知事・市長を歴任した者としても、知的誠実さに欠けていますよ」

波紋を呼び続ける "ヒトラー発言" 問題。菅氏は、維新は、今後どう動くのかーー。


2022年1月29日土曜日

コピペ 菅元首相「ヒトラー投稿」にモーレツ抗議 維新お得意の手口に惑わされるな! 日刊ゲンダイDIGITAL

維新の会の創設者である橋下徹・元大阪府知事や維新のメンメンを、ヒトラーに例えた菅直人元首相(立憲民主党)のツイートをめぐり、大騒ぎになっている。ツイートは先週21日に投稿されたもの。

<橋下氏をはじめ弁舌は極めて歯切れが良く、直接話を聞くと非常に魅力的。しかし「維新」という政党が新自由主義的政党なのか、それとも福祉国家的政党なのか、基本的政治スタンスは曖昧。主張は別として弁舌の巧みさでは第一次大戦後の混乱するドイツで政権を取った当時のヒットラーを思い起こす>

維新は、25日の衆院予算委員会でこれを取り上げただけでなく、26日は藤田文武幹事長が、立憲の党本部に謝罪・撤回を求める抗議文を提出。「ヒトラーになぞらえて批判することは、国際社会では許容されない」と激怒していた。

テレビでもコメンテーターなどが「言い過ぎだ」「国際的な視点を考えていない」と厳しかったが、ちょっと待って欲しい。過去にも政界で同様の発言がある。憲法改正をめぐる自民党・麻生副総裁の「ナチスの手口に学べ」(2018年)は有名。石原慎太郎元都知事は政界引退会見(14年)で橋下氏について、「彼の演説のうまさは若い時のヒトラーですよ」と褒め言葉として使った。当の橋下氏も、民主党政権がマニフェストになかった消費税の増税に動いた際(12年)、「完全な白紙委任で、ヒトラーの全権委任法以上だ」と発言している。

■「国際社会で許容されない」はデマ

維新は「国際社会では許容されない」と言うが、海外に目を向けると、ローマ教皇が「同性愛者などのマイノリティーを標的にした政治家の発言を聞くと、ヒトラーを思い出させる」(19年)と演説しているのだ。

「ユダヤ人差別やホロコーストなどヒトラーの行為が国際法上、問題なのであって、ヒトラーに例えるのは何の問題もありません。過去に橋下氏だって例えている。自分たちを棚に上げて、立憲のイメージダウンを図る、維新お得意の手法です」(高千穂大教授・五野井郁夫氏=国際政治学)

維新の狙いはそこにある。当事者の菅氏は25日、「抗議するなら私自身にすべきだ」とツイート。それでも維新が党本部に抗議したのは、「参院選に向け、野党第1党つぶしが目的なのだろう」(野党関係者)。

「維新は、国際社会で問題だとデマを流して無知な人々を騙している。卑劣です。立憲は謝罪する必要ないし、ちゃんと維新とケンカした方がいい」(五野井郁夫氏)

「維新の手口」に惑わされてはいけない。


2022年1月27日木曜日

コピペ 文春オンライン 黒川弘務元検事長が上場企業の社外取締役に就任していた

 単純賭博罪で罰金20万円の略式命令を受けた黒川弘務・元東京高検検事長(64)が、上場企業の社外取締役に就任していたことが、「週刊文春」の取材でわかった。

 黒川氏は新聞記者らと賭けマージャンをしたとして、単純賭博罪に問われ、昨年3月、罰金20万円の略式命令を受けた(罰金は納付済み)。

 東京新聞が報じた刑事裁判の記録によれば、今後は「弁護士として社会に尽くしたい」と供述していたというが、1月25日現在、弁護士登録はされていない。

 その黒川氏は昨年12月24日付で、東証ジャスダックに上場している「ETSホールディングス」(東京都豊島区)の社外取締役に就任していた。ETSは主に電気工事や再生エネルギー事業を手掛けており、2月に創業100周年を迎える老舗企業。ホームページでは、黒川氏の経歴とともに社外取締役に就任したことをリリースしている。

「ETSの売上高はこの5年間、50億円前後で推移しています。ただ、コロナの影響で民間投資が厳しい中、公共投資が底支えする構図。黒川氏の豊富な政財界人脈に期待するところも大きいのでしょう。同社のIR資料によれば、社外取締役の報酬は一人当たり年360万円と見られます」(経済部記者)

 黒川氏の携帯電話を鳴らした。

「黒川です」

——週刊文春ですが。

「あ、結構です。失礼しました」

 ETSに黒川氏を起用した経緯などを尋ねたところ、以下のような回答があった。

「当社は個別の取材には応じていません」

 1月26日(水)12時配信の「 週刊文春 電子版 」及び1月27日(木)発売の「週刊文春」では、黒川氏とETSの関係のほか、ETSの筆頭株主である不動産会社でもコンプラアンス委員会の社外委員を務めている事実、黒川氏が自ら立ち上げた経営コンサルティング会社などについても報じている。

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2022年2月3日号)


コピペ 「緊急事態条項」が必要だという嘘と勘違い<法学者・小林節氏>

◆憲法は「緊急事態」対応を認めている

 最近まで、改憲論と言えば9条に関するものがほとんどであった。しかし、東日本大震災とコロナ・パンデミック(大感染)を体験した辺りから、「緊急事態条項」の新設を主張する声が大きくなってきた。

 曰く、「大災害に直面したら、人権を停止して、権力を一元化して、国家として迅速に対応することが必要で、それを想定した緊急事態条項が現憲法にはない。」

 確かに、大災害に直面した場合には、国家としては迅速に決断して、強制的に国民の移動を制限したり国民の財産を公のために用いたりすること(つまり人権の制限)は必要で有効である。

 しかし、現行の憲法にはそれを可能にする規定が既に存在する。12条は「この憲法が国民に保障する権利(つまり人権)は常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負う」と規定し、13条は「国民の権利は、公共の福祉に反しない限り、国政の上で、最大の尊重を必要とする」と規定している。

 ここで言う「公共の福祉」とは、全ての国民がそれぞれに人権を行使して幸福を追求するために不可欠な前提としての安心・安全な社会状況のことである。震災の被害を除去し得た状態やパンデミックを克服し得た状態が「公共の福祉」そのものであることは言わずもがなである。

◆だから緊急事態法制は既にある

 だから、わが国には、現に災害対策基本法、感染症対策基本法等の緊急事態法制(法令群)が存在する。その中で、強制入院(行動制限)や私有財産の強制的な公用化(財産の公用収用)が許されるのは、正に憲法12条と13条が存在するからである。

 これで、緊急事態条項が必要だという根拠の一つ、人権制約の根拠条文の必要性……が根拠にならないことが明らかになった。

◆政治の愚かな対応こそが問題

 緊急事態条項が必要だという主張の根拠のもう一つは、緊急時に迅速な決定を下すために権力を一元化する必要がある……というものである。

 しかし、その論者が根拠として挙げる東日本大震災とコロナ・パンデミックに対する政治の対応を振り返ってみれば、その主張が的外れであることが分かる。

 東日本大震災の被害は東北を中心に数県に及んだ。しかし、現行の災害対策基本法は「中央集権」型にできているために、現場の自治体には決定権がなく一つ一つ中央に「お伺い」を立てなければならず、それが、実情を知らない中央省庁の決定を待つことにより被害の拡大を招いてしまった。

 コロナ・パンデミックに対しては、インバウンド旅行客が落とす金、中国主席の来日、オリンピックの開催を意識した政府が最初の水際対策を怠ったことが状況を悪化させたというのが歴史的事実である。

 いずれも、緊急事態条項の不存在ではなく、政府による政策判断の失敗こそが問題であった。

◆自民党の改憲案は「独裁条項」だ

 それはそれとして、以上のように既に破綻した理由をあえて立てて自民党が提案(2018年)している緊急事態条項は、次のものである。つまり、緊急事態には、内閣は法律に代わる政令を制定できるつまり人権を制約できるというものである。

 さらに、自民党が2012年に党議決定して未だに廃止していない改憲草案では、緊急事態条項は次の様になっている。内閣(つまり首相)は、緊急事態には、既に握っている行政権に加えて、法律に代わる政令を制定する権限つまり立法権を行使し、国会に代わって財政処分権も行使する。加えて、内閣は地方自治体に指示(つまり命令)を行う権限を持つ。それに対して、国民は公の命令に従う義務を負わされる。まるで、かつてのナチス・ヒットラーの全権委任法である。

 この様に、自民党は、制度上は不必要で運用上は的外れな「緊急事態条項」を新設する改憲が必要であると広報し続けている。これは明らかに「嘘」で勘違いも甚だしい。

 自民党は、明白な嘘で主権者国民を誤導して、800億円もの国費(税金)を費やして憲法を改正しようとしている。これではまるで「改憲を行うこと」それ自体が目的化している様で愚かである。

 国会が各院の三分の二以上で改憲を提案してきても、それを承認or拒否するのは主権者国民の英知である。

<初出:月刊日本2月号>

こばやしせつ●法学博士、弁護士。都立新宿高を経て慶應義塾大学法学部卒。ハーバード大法科大学院の客員研究員などを経て慶大教授。現在は名誉教授。著書に『 【決定版】白熱講義! 憲法改正 』(ワニ文庫)など

2022年1月26日水曜日

コピペ 玉川徹氏「先進国とはいえない」「一体、何なんだ」日本のコロナ対策に憤慨 デイリースポーツ

 テレビ朝日局員の玉川徹氏が25日、出演する同局系「羽鳥慎一 モーニングショー」で「先進国とはいえない」「一体、何なんだ」と日本のコロナ対策に憤慨した。

 この日の放送では、政府が新型コロナウイルス対策の方針を転換。リスクの低い人は病院などで受診せず、自分で検査をした上で陽性を確認したら自宅療養する方針をとることについて扱った。

 これに対して玉川氏は「対策のようで、対策でもなんでもない。症状があっても受診しなくてもいいって当たり前じゃないですか。平時だって、いくら熱があっても体が痛かろうが、私は病院行きませんというのは自由。むしろ大事なのは、私は医療へのアクセスを受けたいんだという人の権利を守らなきゃいけないということ。それをどうやって確保するか」と憤った。

 さらに「検査だけして陽性だと分かっても、何の薬ももらえないということでしょう。優先度をつけるのは必要。だけど、リスクが低い人にも医療を受ける権利はある。そういう人には薬の配布所をつくるとかね」と提案した。

 キャスターの羽鳥慎一は「相当無理のあることをやらざるを得ないことになるということ」と受けた。

 さらに、無料検査用の抗原検査キットも品薄となっていることに話題が移ると、玉川氏は「足りないから仕方が無いではないと思う。コロナ始まって2年たつわけですから、ここに来て足りないので、優先順位をつけてという話、僕は先進国とはいえないと思いますよ、もう」とブチギレ。「今後は感染状況が分からなくなるかもしれないということですよね。一体何なんだと思いますけどね、私は」と語気を強めた。


2022年1月17日月曜日

コピペ 公明党ブチ切れた! 夏の参院選で「自民党とは選挙協力しない」のナゼ 日刊ゲンダイDIGITAL

公明党はよほど頭にきているらしい。自民党と公明党の間で"内紛"が勃発している。

これまで自民と公明は、国政選挙が行われるたびに互いに候補を"推薦"し、選挙協力をしてきた。

ところが、この夏に行われる参院選について、公明党が、自民との相互推薦による選挙協力を見送る方針を固めたことが分かった。公明の山口代表が15日、都道府県本部の代表者に説明したという。自民党にはすでに伝達済みだという。

前回2019年の参院選では、自民党は複数区の埼玉、神奈川、愛知、兵庫、福岡の5選挙区で公明を推薦。公明党は32ある1人区で自民を推薦していた。連立パートナーの自民と公明が国政選挙で協力しないのは異例のことだ。なにが起きているのか。

「発端は兵庫選挙区(改選数3)の推薦問題です。公明党は昨年末から自民党に対して"早く推薦を出して欲しい"と要請していた。公明党にとって兵庫選挙区は、かなり厳しい選挙区です。自民の支援がないと当選は厳しい。前回も、公明候補の支援のために官房長官だった菅さんに現地入りしてもらっています。なのに、いつまで待っても自民は推薦を出そうとしない。それでしびれを切らし、なかば逆切れして"自民とは選挙協力しない"と決定したのでしょう。ただ、兵庫選挙区は自民党にとっても厳しいのは変わらない。前回も1位は維新、2位公明、3位自民……と自民は最下位当選でした。しかも、この夏の参院選は、維新が2人擁立する可能性がある。最悪、当選は維新2人と公明となり、自民が落選する恐れがある。自民の候補は現職文科大臣です。絶対に落とすわけにはいかない。公明に推薦を出せる余裕がないのでしょう」(政界関係者)

自民党のなかからは、「これは茂木幹事長の責任だ」という声が噴出している。選挙を仕切る幹事長への批判があがっている。

「どうも茂木幹事長は、"いまの野党相手なら参院選は負けない""どうせ最後は公明党も選挙協力するはずさ"と、慢心し、高をくくっている節があります。たしかに、体たらくの野党相手なら負ける要素がない。でも、どんな波乱が起きるのか分からないのが参院選です。兵庫選挙区のために、公明の協力を失い、32ある1人区で次々に敗北したらどうするつもりなのでしょうか」(自民党関係者)

自公に亀裂が入れば、参院選は俄然、おもしろくなる。


2022年1月5日水曜日

コピペ 安倍元首相が新年早々「コロナ5類扱い」発言 医療崩壊の“元凶”また政権に口出しで批判噴出 日刊ゲンダイDIGITAL

トコトン無責任だ。岸田首相に何かと袖にされる焦りからか、政権運営にやたらと口を出している安倍元首相が新型コロナウイルス対策にまで注文をつけ始めた。

感染症法上の分類を「季節性インフルエンザと同じ『5類』として扱う手はあります」と発言。そうなれば、たとえ感染しても日常生活の制約はほぼなくなるが、医療費の公費負担もナシ。国民は「自助」を強いられる。そもそも度重なるコロナ失策で求心力を失い、2度目の政権ブン投げに追い込まれる大失態を演じたのはお忘れのようだ。

新年早々、安倍元首相が吠えたのはアベ寄りで知られる読売新聞のインタビュー(1日付と3日付朝刊の全2回)。新型コロナは「指定感染症」に分類され、SARS(重症急性呼吸器症候群)などと同等の2類相当の措置が取られている。そのため、医療機関や保健所の負担軽減を理由に岸田政権に対し、「今年はさらに踏み込み、新型コロナの法律上の位置付けを変更してはどうか」と提言。こう続けた。

「入院治療が原則で、医療機関や保健所の負担は大きい。感染の仕組みが次第に解明され、昨年末には飲み薬も承認されました。オミクロン株への警戒は必要ですが、薬やワクチンで重症化を防げるならば、新型コロナを季節性インフルエンザと同じ『5類』として扱う手はあります」

そもそも、医療崩壊の原因は安倍政権下で始まった病床数の削減だ。医療費削減を理由に25年時点で最大20万床削減を目指し、自宅療養を推し進めてきた。安倍元首相の「5類発言」は、〈お前は出てこなくていい〉〈政権を投げ出したクズが口出すな〉などとネット上でも批判されている。

「傑作です。東京五輪の開催で頭がいっぱいで、手抜き対応を繰り返した人物が言うことでしょうか。マトモな人間であれば蟄居していますし、ましてやコロナ対策にクチバシを入れたりしない。尻に火がついている様子がアリアリです。関与が疑われている大規模買収事件をめぐる新たな動きに焦りを強めているのではないか。舞台となった広島の自民党県連会長に、岸田側近の寺田稔首相補佐官が就き、元法相夫妻に1.5億円を提供した自民党本部の対応を『説明が十分でない』『検証がなされていない』と言い始めています」(政治評論家の本澤二郎氏)

480億円超の血税をムダにしたアベノマスクは、岸田首相が強制廃棄を決定。迫れば迫るほど、逆にアベ排除が加速しそうだ。