2022年11月21日月曜日

コピペ 河井事件に続く「政治とカネ」 寺田氏に地元・広島からも不満噴出 毎日新聞

 現職閣僚が、また「政治とカネ」の問題で辞任に追い込まれた。政治資金収支報告書の記載などを巡り、岸田文雄首相が更迭した寺田稔総務相。地元・広島は首相のお膝元で、3年前には河井克行元法相夫妻の選挙違反事件も起きた。「がっかりだ」。相次ぐ不祥事に、有権者や地元議員からは不満の声が噴出した。


 20日朝、広島県呉市にある寺田氏の自宅兼事務所には、支援者や警察の警護担当者らが続々と集まった。午前11時40分すぎ、黒のスーツに青のネクタイを締めた寺田氏が外出。報道陣に「岸田総理と話されましたか」と問われると、「まだです」と答え、車に乗り込んだ。その後、広島空港(同県三原市)から東京へ向かった。

 ある県議によると、寺田氏は19日夜、呉市内のホテルで開かれた会合に参加。寺田氏は元気がない様子だったという。

 広島生まれの寺田氏は東京大を卒業し、旧大蔵省に入省。予算編成を担当する主計官などを務めた元エリート官僚だ。妻は池田勇人元首相の孫娘。2004年、池田行彦元外相の急逝を機に地盤を継いで初当選し、当選6回を重ねた。岸田首相と同じ宏池会に属し、側近として政権を支えてきた。

 地元では動揺が広がっている。呉市の呉中通商店街で刃物店に勤務する石原百合子さん(75)は「間違いであってほしい」と驚きを隠せない様子。寺田氏が事務用はさみを買いに来たこともあり、「頭が低く、優しい人だった。呉市を盛り上げて活性化してくれている。やめないでほしい」と訴えた。

 一方、商店街でたばこ店を営む山野孝夫さん(80)は「がっかりした。昔は商店街のイベントにも顔を出してくれて選挙でも投票してきたが、疑惑に対する説明が不十分だ」と怒りをあらわにした。

 来春の統一地方選への影響を懸念する声も出ている。広島では19年参院選を巡る大規模買収事件で、河井元法相と妻の案里元参院議員の有罪が確定。現金を受領した県議ら34人も起訴され、一部の公判は今も続いている。

 呉市議会の北川一清議長は「寺田氏はクリーンなイメージがあっただけに残念だ。政治とカネの問題が相次ぐのは『またか』という思いだ」と話した。別の市議は「河井夫妻の事件があり、地元でもお金に関することは気を付けていたのに。辞任して終わりではなく、本人の口から説明を聞きたい」と求めた。【安徳祐、手呂内朱梨、中村清雅、菅沼舞】


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