2023年2月24日金曜日

コピペ 9・11補償金分配を無償でやり遂げた弁護士の物語 「相手が大統領でも国会だろうがブレない姿勢をとり続けることが最も大切」

23日公開「ワース 命の値段」


アメリカを揺るがした9・11の後、7000人もの被害者に補償金を分配する大事業を国家から任され、やり遂げた人物がいた。23日公開の映画「ワース 命の値段」のモデルとなった弁護士、ケネス・ファインバーグ氏だ。果たして彼は、人種も年齢も職種もバラバラな被害者の心を、どのようにしてくみ取っていったのか。

映画では主人公ケンが遺族に提示した「独自の計算式」が猛反発をくらい、説明会は紛糾する。彼は「おのおのの事情を聴いたらキリがない。私情を挟むな」とスタッフにげきを飛ばす。7000人もいるから当然だ、とわれわれも思う。

だが、事業は頓挫しかける。そこで彼は徹底的に被害者に耳を傾けるという気が遠くなる方法に切り替える。

「大変素晴らしい映画だ。僕らが直面した挑戦をしっかり描いてくれてうれしかった」とケネス氏。多くの紛争を調停・仲裁してきただけあって、「物語を劇的にするため、ケンが変化して、途中で気づく脚色が加えられている。僕らは最初から知っていたから、ずっと耳を傾け続けた」と事もなげに話す。

「彼らの感情的な面、現実に追いつかない怒りや悲しみ、愛する人は本当に存在した、誰かに認知してほしいという思いを、しっかり聞くのが僕らの挑戦だった。金銭ではなく、それが彼らの望みだった」

だが劇中には、補償金を吊り上げようとする人物も登場する。ケネス氏も、「確かに高額所得者—銀行家や株トレーダーらの代理人の会計士や弁護士からは"この算定式では我々の依頼人に見合わない"と言われた。これを突っぱねたら裁判に持ち込まれたが、判決では保証金の算定についての全裁量は僕にあるとされたので、こうした人たちの補償金はむしろ減らしました」と、笑って明かしてくれた。

それにしても、2年に及ぶ大事業と知りながら、無償で引き受けたとは…。そのわけをケネス氏はこう明かす。

「当時、何百万人ものアメリカ人が、何かしなければという思いに駆られた。僕もその1人。それに算定式を作る本人がギャラをもらうのはよろしくない。愛国心と戦略、2つの理由がありました」

数々の難題を解決してきた秘訣(ひけつ)を最後に聞いた。

「僕らはチームで仕事をしている。リーダーの僕にスポットが当たりがちだけど、だからこそ常に�僕ら�という主語を使う。相手にも公にも�僕らがやり遂げた�と伝えるのが大事だ。リーダーとしては、確固たる決意を示すこと。相手がブッシュ元大統領でもオバマ元大統領でも、アメリカ国会だろうが、ブレない姿勢をとり続けることが最も大切」と言い切った。 (折田千鶴子)

9・11補償金分配を無償でやり遂げた弁護士の物語 「相手が大統領でも国会だろうがブレない姿勢をとり続けることが最も大切」 23日公開「ワース 命の値段」(1/2ページ) - zakzak:夕刊フジ公式サイト



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